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SmallTitle姉妹誌

第17号

平成16年5月5日発行

(下記廃刊後記入)

   (「月刊デジカメ作品」は廃刊なっています。
続刊はデジカメワークス」(ここをクリック)をお楽しみください。)

1 はじめに

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Ansel Photo

   「神話時代の三種の神器というと八咫鏡(ヤタノカガミ)草薙の剣(クサ ナギノツルギ)八尺瓊勾玉(ヤサカニノマガタマ)の三点で、これを保持することが現在でも天皇であることの 証として皇居、伊勢神宮、熱田神宮にご神体として保存されています。

   世の中も進み、現代ではこれにあやかって経済成長の推進役を担っている商品に「新」を つけて新三種の神器などと呼んでいます。戦後は冷蔵庫、洗濯機、テレビがそれにあたり、今日では薄型TV 、DVD、デジカメの3つがそれにあたります。経済成長の推進役としては、薄型テレビ、DVDレコーダー とデジカメとは似ていますがよく考えるとその性質は全く異なっていることに気がつきます。装置とツールの 違いともいえるでしょうか。その使用において、ソフトの面において、前の二者は作るものと見る者という区 分けが明瞭で多少の例外はあっても生産者と消費者が画然と仕切られており見る者、使う者が作るものになる ことはありません。要するにユーザーに創造という役割はなく、極く一部の製作者の創造したものを受け取っ たり、鑑賞するだけというのに留まらざるをえないのです。ハイビジョンの素晴らしい画像や映画、あるいは 複雑なゲームなどはユーザーが作ることは不可能です。要するに創造に関わるのは極々一部の専門的な人たち に限られます。それはそれなりの社会的な役割があるわけで悪いという事ではありませんが、これに引き換え デジカメは人々を創造に駆り立てる道具として他の2点とは全く異質の器具です。

   デジカメはもともと写真を撮るという積極性がなければ何の役にもたちません。持ってい るだけで身分を表すなどありえません。神器といえども所有者が創造性をもたないと、持っていても役に立た ないのです。経済に与えるインバクトという面では似た働きがあっても、もともと銀塩カメラによる撮影とい う創作作業と直結したものから発展したものですから、より優秀、便利だけが売り物の装置である他の家電と は異質なものです。その意味において、デジカメはユーザーの創造性を賦活し、新しい文化を形成していく原 動力になるものです。新三種の神器の一つデジカメは置いておいては何の役にも立ちません。クリエイティヴ な活動ツールとして持ち歩き駆使して始めて大きな価値を生みます。この点でデジカメが新しい21世紀の文 化の創造、発展に果たす役割は非常に大きく、ひいては経済の下支えにも繋がっていくことでしょう。」

(発行責任者:木村元一)


2 今月の特選デジカメ写真


   本欄のコンセプトは、過去1ヶ月(締切りは毎月19日)に姉妹紙 「デジカメ作品交歓会」に掲載されたデジタル・イメージ(デジカメ・イメージ、スキャンされた銀塩イ メージ)の一部を、編集委員の推薦・投票によって選び、あわせて編集委員の論評をつけて読者の皆様にじっく りと作品鑑賞をしていただくという目的を持ったものです。読者の皆様方からのご推薦も受け付け ますので、是非編集局までお寄せ下さい。

   推薦では、全国各地の風物,季節の話題、生活風景等の写真を読者の間で分かち合うこ とを目的としている姉妹紙「デジカメ作品交歓会」の性格上、それらが選択の一要素となります。また、 新しい芸術表現の可能性を秘めているデジタル画像を扱う故に、自由な表現形式も高く評価され、本誌で はそれらを推奨致します。所謂一般の写真コンテストにおける如き、優れた写真技術、写真撮影の難度、 及びある程度確立された審美感に基づく厳正な評価は、もとより素人集団である編集局には無理がありま す。従って、これらの評価要素に関しては、各編集委員のそれまでの人生経験、写真経験、美的感覚等に 基づくものになります。

   デジタルイメージをモニター上で正しく見る際には、モニターが正しく補正されてい ることが条件となります。補正にはそれなりのソフトウェア、機器が必要とされますが、それが無い場合 、最低限必要とされるのはモニターの明るさとコントラストを調整することです。下に示した画像を使い 簡易補正されることをお薦めします。

   明るさの補正は下の画像の特に最両端の白と黒が隣り合わせるものと区別できるよう にモニターを調節します。

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   コントラストはモニターから距離をもって目を細めて見た場合、 下の画像のガンマ2.2(ウィンドウズ使用)またはガンマ1.8(マック使用)の画像が周囲と区別 無く見えるようにモニターを調節します。

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   今月は、「デジカメ作品交歓会」の既刊#258号から#260号までに掲載 された写真のうち、7名の編集委員各々が選んだ「この1点!」計15点と、いつものように編集委員の投票 及び推薦によって選ばれた9点、計24点を掲載します。順不同です。



「スカイウオッチャー」が選んだ「この1点!」

#260a号から、CAT(馬場)さん(福岡県)の作品、「蝶と猫のお花見」

作者コメント:   「作品交歓会259拝見しました。素晴らしい写真ば かりで楽しみです。家に居ながら世界中の今を見れ、贅沢な楽しみをさせてもらっています。
   桜のデジカメ中ポカポカの陽気に誘われてか、蝶が飛んできましたがズーム機能が充分では ないので、アップ出来ず小さくて判らないかもしれません。裏の桜を写しに出たらし外猫ちゃんがついて来たの で、モデルにして写しました。動きがあるのはシャッターチャンスが難しい事を実感しました。
   桜は皆さんがたくさん撮られていると思うので桜と蝶、猫の写真にしました。よろしくお願 いします。」

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編集委員評:   「「桜と猫」面白い組み合わせですね。可愛く撮れてい ます。たまたま猫が顔を出したとのことですがタイミングばっちりですね。いい表情しています。驚いたよう に見える表情がいいですね。言葉どおりのキャッツアイですね。我が家にも猫がいるのですがお目目パッチリ の写真はなかなか撮れません。」 (by スカイウオッチャー)


「風来坊」が選んだ「この1点!」

#259e号から、星野(T.Hoshino)さん(さいたま市)の作品、「大宮公園」

作者コメント:   「週末の混雑を避けて大宮公園に散歩をかねてデジカメ してきました。土、日の大混雑とは比較になりませんが、それでもかなりの人出で賑わっていました。」

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編集委員評:   「まるで絨毯のように、見事に水辺を埋めつくした桜の花弁を、 木漏れ日が淡いピンク色の微妙な濃淡を描き出したキャンバス上に、木立の影と、偶然風に飛ばされてきたのでしょう か?帽子が絶妙の配置で、素晴らしいシャッターチャンスをものにした作品ではないでしょうか?上方には、水辺の説 明に充分な小波を入れた構図も素晴らしいと思います。作者の、感性と技術の高さが覗えます。」 (by 風来坊)


「桃源」が選んだ「この1点!」

#260f号から、糠谷 健三 さん(北海道)の作品、「福寿草」

作者コメント:   「こんにちは、本州のほうからは桜便りが送られてくるの にまだ北海道はようやく雪がとけて黒い土が見えてくる今日この頃です。桜前線はいま どのあたりまで来ている のかわかりませんが、北海道では来月の初旬あたりに、道南(函館)方面に来るようです。今日は気温も少し暖か で14度くらいまで上がったようで庭の福寿草が咲き誇っていましたので、その写真を送ります。
   今月の初めに時ならぬ雪が降って翌日とけかけた雪の間から福寿草が顔をだしていました。雪 国に咲く花なのでしょうか、強くてたくましいものです。」

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編集委員評:   「写真を撮るのに熱中する人の特徴の一つが、好奇心であろう 。平井さんにしろ藤田さんにしろ共通しているのはあくなき好奇心である。糠谷さんも人後に落ちず好奇心の塊の ような人でしょう。結構なお歳のようですが、新しいものに挑戦する姿に敬意を払っております。北海道の春は黒 い土が見えたときであり、福寿草が咲いた時なのでしょう。明るい黄色が灰色の冬を追い払います。福寿草の黄色 の派手な色が、長い冬を耐えた人に明るさを与えるのでしょう。今度は梅・桜・桃ですね。」(by 桃源)



「ジェイ」と「うぐい」が選んだ「この1点!」

#260d号から、Hary(前川)さん(大阪府羽曳野市)の作品、「ソルトレークシティー周辺」

作者コメント:   「ソルトレークシティーから、フェニックス・ツーソン (tucson)・サンディエゴまで国立公園を回って来ました。走行距離2000kmを越しました。道中の変化の大 きな景観には圧倒されました。
   緑・赤・黄等の色の少ない過酷で無味な環境の中に住む人たちの逞しさも見ることが出来まし た。風景写真を3枚お送りします。どうかどうか宜しく!いずれも標高2000m位の所だと思います。
   アーチーズ国立公園への道中、グリーンリバー近辺での車中から:標高約2000m。」

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編集委員評:   「非常にコントラストのはっきりした澄んだ青のグラデーシ ョンの空に、斜めの飛行機雲らしき一本の白線が横切っています。大胆に空を取り入れ、赤い大地を手前に入れた この写真は、何か地球の見慣れた景色とは違う世界ヘに誘っているように思います。Haryさんの感じたままの 風景が鮮明に目に焼きつき、感動を覚えました。」 (by ジェイ)

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編集委員評:   「ソルトレークシティの湖水の塩が析出して造ったという文様 、波の荒々しさがそのまま残され、色合いともどもソルトーレークの他の写真も含めて地球の営みの複雑さ、面白 さを表らわしています。パソコンの壁紙などによく見かけるような、和紙などで真っ白の綺麗な紙では装飾的に物 足りなくて、わざわざ手絞り染めにしたりして皺などの癖をつけて使うのに似たような面白さがあります。写真と してはちよっと変わった線を狙ったものですが、たまにはこういう文様調のものも楽しめのではないでしょうか。 ましてそれが絵などの人の手になる作品でなく、自然の造詣であるところが写真という技術にフィットしていて興 味のある作品だと思いました。」(by うぐい)



「無精ひげ」が選んだ「この1点!」

#260f号から、百瀬さん(長野県)の作品、「諏訪大社御柱祭」

作者コメント:   「信州もやっと春らしくなり、賑やかになってきました。 今回は画像の下に説明を入れましたが、不都合なら切り取ってください。お手数をおかけします。ホームページの アカウントを替えましたのでこれもよろしくお願いします。
   数えで7年に1度の奇祭へ出かけました。4月3日上社の御柱曳航で、見せ場の「木落とし」 と「川越し」を狙ったのですが、人出に押されて場所取りもできず、デジカメを高くかざしての不安定な姿勢には 苦労しました。しかも「木落とし」は完全逆光で空へ抜けた部分がはっきり出ませんでした。記録としてご覧頂け ればと思います。」

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編集委員評:   「場所取りに苦労されたそうですが、全景が俯瞰できる良い 場所で構図も完成された、パソコンの小さな画面でなく、ふすま2枚分位の大きな画面で見たい、お祭りに集った 人達の姿が活き活きとしている画像です。湾曲した川岸に、二本の角を立てた御柱を、川に引き込む何本もの綱を 持つ、黄色と赤色の半被の引き子たちを中央にみせて、手前にはカメラを頭上にあげている人たちや帽子の女、通 常お祭りの写真では避ける制服警備の人も、今回は白いコートで無線携帯を持つ姿がアクセントになっています。 火消し半纏の消防団の人達もいて、御柱の向こう側でも、川岸にびっしりと隙間なく、大勢の人々が見物しており 、家並みがあり里山が近くにせまり、信州の風景へとつながっています。
   古事記には「出雲」と「諏訪」地方に、大和朝廷以前に部族がいたことを伝えており、歴史記 録が伝える以前の神事が、このような宗教行事となって、現代にも伝えられているのでしょうか。」 (by 無精ひげ)



「B&W」が選んだ「この1点!」

#260g号から、竹下陽一さん(神奈川県)の作品、「京都の春,清水寺」

作者コメント:   「今日は。京都の写真を2回に分け投稿いたします。 宜しくご高覧の程を。」

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編集委員評:「綺麗に晴れた青空をバックに、きりっと立つ五重塔とその下方を彩る桜を実に 美しく描写しています。桜と五重塔の組み合わせは仁和寺も有名で筆者もあるプロの方の作品を額に飾っておりま すが、清水の桜と五重塔もすてきですね。まさに京都の春を表しています。
   構図的には、青空の部分を減らし、左側の木の枝をカットし、五重塔を中央から少しずらす のも一案かと思いますし、五重塔の高さや下の桜の位置関係を強調して縦のフレームにするのも面白いでしょうね。 もちろん竹下さんは色々な構図で撮影された事と思いますが。。。。フイルム代・現像代を気にすることなく自分 の納得いくまでシャッターを押すことが出来るのがデジカメの最大の利点ですから。(^。^)」(by B&W)
   注記:竹下さんは#261d号で仁和寺の桜を発表されています。



「スカイウオッチャー」が選んだ「この1点!」

#259g号から、じゅん 《Jyunich Inoue》さん(岩井市)の作品、「清水公園の桜」

作者コメント:   「木村さん今日は本当に寒いですね!ストーブを付けて メールを打っています。今回は先月29日の清水公園の桜を二回に分けて送信いたします。28日の日曜が清水 公園のHPで1から3分咲きとの情報で休みだった月曜に出掛けました。月曜で時間が早かったせいもあります が、花見客はまばらでした。その為古河の花桃とは視点を変え、桜の美しさを引き立てるカットを探し回りまし た。広大な園内を二回回り、ポイントを新緑には少し早いのですが出来るだけ桜を引き立てる緑を捜しました。
   まだ春の浅い事もありましたが、緑ももう少し時間が経たないと鮮やかさが増してこないな と思いました。今回は出来るだけその中でも場所が分かり易いバックも入れてみました。桜を引き立てるバック の扱いも難しいですね。」

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編集委員評:   「桜の花らしい優しい雰囲気の写真が撮れましたね。背景 とのバランスも決まっています。桜の花の淡いイメージが良く出ていると思います。ピンク色でもなく白でもな く言葉どおりの「桜色」ですね。壁に掛けたい1枚です。今月の投稿写真では各地の桜を居ながらに見ることが 出来ました。投稿者の皆さんに感謝です。」 (by スカイウオッチャー)


「無精ひげ」が選んだ「この1点!」

#259c号から、大森 保武さん(岡山県)の作品、「雨にぬれた桜と木蓮」

作者コメント:   「朝7時から降り出した雨、17時前に上がりました。東京 も夜半には雨も上がるでしょう。展望台へ直行、下界を見下ろしてきました。黄木蓮が同じように下界を見ていま した。こちら桜は蕾が多いです 雨にぬれた桜撮りました。2枚送ります、ではまた。」

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編集委員評:   「中国山脈の雨に濡れた盆地の雨雲が隠す景色を、山から見 下ろして大気に水分の多い日本的な景色を、しっとりとした状景の横構図に仕上げています。水平に伸び出た枝先 に三個の花弁が開いた木蓮が、画面にアクセントを与えている、身近にある日常的な自然の四季のひと時を切り取 った美しい映像です。」 (by 無精ひげ)



「桃源」が選んだ「この1点!」

#260c号から、勝股 三三男さん(岐阜県瑞浪市)の作品、「カタクリの花」

作者コメント:   「毎年、訪れるお宅から今日が満開との連絡があったので、 駆け付けて撮影しました。毎年お訪ねる度に、花が増えていっているようです。午后の日を浴びて咲き誇っていま した。」

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編集委員評:   「カタクリの花は是非撮影したい対象の一つであるが、今年も 機会を逸してしまった。多くの場合桜の季節と重なり、桜に気をとられているうちに、ひっそりと咲き、花が散る と何の変哲も無い雑草になってしまうからだろう。勝俣さんの寸描にあるように知人にその花の盛りを教えられな ければ、一番いい花を撮れない。この写真はまさにその旬を撮ったのでしょう。瑞々しく清廉である。勝俣さんの 心のうちの状況が写真に現れているのと思う。」(by 桃源)



「ジェイ」が選んだ「この1点!」

#260e 号から、神原幹郎 (カナダ)の作品、「恐る恐るの人物スナップ」

作者コメント:   「「人物の写ってない写真はアカン」〜〜恐る恐るの人 物スナップ.....。コンピュータークラッシュで最近の写真を全部無くしましたがコンパクトフラッシュに残って いた画像が回収できました。人物のスナップ写真に挑戦したものですが、カメラが大きくギンギラに目立つので覚 られはしないかと〜〜〜度胸が無く余り近くには寄れませんでした。バンクーバーのスタンレイ・パークで撮影。」

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編集委員評:   「まるで映画のワンシーンを見ているようで、涙が出てき ます。神原さんのノスタルジックな詩情がこの写真に感じられます。このシチュエーションはこの写真のために 用意されているようにも思えて来ます。明るいバックに人物が叩き込まれずに映し出された技術もさることなが ら、この少女はバイオリニストの音色をどのように聞き入ったのでしょうか。私はこの写真に思わず聞き耳を立 ててしまいました。」 (by ジェイ)


「うぐい」が選んだ「この1点!」

#258c号から、大森 保武 さん(岡山県)の作品、「海と山」

作者コメント:   [東京は寒いみたいですね。(3/21)今朝はマイナス 1度でしたが、今は10度ぐらいです。昨日に比べればちょっと冷めたいです。21日犬島・牛窓に行ってきまし た。牛窓のオリーブ園の展望台から撮った春の海。(後方に人が上を向いて寝ている涅槃像の五剣山と平らな屋島)、 ベランダから撮ったもやっとした山送ります。」

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編集委員評:   「現在東京国立博物館では「空海と高野山」展が行こなわれて います。同時に出版されているその解説書の表紙の裏に立ち上る霧に包まれてぼんやりと姿を見せる高野山の写真 があります。水墨画で描かれた密教の聖地高野山、歴史にもまれたこの地が大森さんのベランダからの風景に実に 良くにているのを不思議に思いました。空海(後の弘法大師)が入唐留学を終へ帰国直前、密教宣揚の根本道場建設 地を求めて三鈷杵(さんこしょ)を日本へ向けて投げ、後に高野山の樹木にかかっている三鈷杵をみつけ、この地で 根本道場を開創されることになったという高野山開創話があるそうですが、三鈷杵が写真の岡山の地に落ちていれ ば、ひよっとして岡山が密教の聖地になったかもしれないなと思わせるような風景です。吉野と岡山は気候が似て いるのかしれません。山の写真も色々で、富士山の端正な姿、立山などの険しい山並み、阿蘇の雲海、紅葉などに 彩られた秋の各地の山々などなども、それぞれの美しさを見せてくれますが、この写真のような立ち込めた霧や雲 から浮かび上がる幾重にも重なる山並みの姿も水墨画の原点を見るようでなかなかの風情があると思いました。」(by うぐい)



「風来坊」が選んだ「この1点!」

#260f号から、百瀬さん(長野県塩尻市)の作品、「伊那梅苑」

作者コメント:   「今ごろ梅が盛りだとお話しすると、二番煎じになり ますが、信州は今が梅の盛りなんです。伊那路の「伊那梅苑」に出かけました。南アルプスを望む広大な土地 に、採種と鑑賞と色とりどりに七千本だそうです。」

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編集委員評:   「鳥瞰の構図で、梅園の見事な情景を切り取った作品だと思 います。道を斜めに配し立体感を出し、池と小屋の配置も申し分ないでしょう。欲を言えば、道に人物を点景(左下 方に)で取り込めば、更に趣のある作品になったのではないでしょうか?カレンダーに使えそうな、素晴らしい作品 だと思います。」 (by 風来坊)


「B&W」が選んだ「この1点x2!」

#259d ・259g号から、代田 泰彦さん(埼玉県所沢市)の作品、「六義園枝垂れ桜・燈燈庵枝垂桜」

作者コメント:   「上野の桜も終わりのようですね。近くても中々いけま せん。先週行った新宿御苑と六義園の桜を送ります。桜より人が満開で苦労しました。桜も撮るのは難しいです ね。今週ももっぱら桜を撮りに行きます。」
   「今日は雨に降られほとんど写真を撮れませんでした。今年の名残の桜と思い条件が悪いの は分かっていましたが、小金井公園に再度行きました。先週に比べるとさすがに染井吉野は盛りを過ぎた風情で すが、山桜系の桜はまだ固い蕾のものもありました。「関山」等の八重桜系は今週の半ばでしょう。来週は高尾 の森林科学園に行くつもりです。宮仕えがなければ、とこのシーズンはいつも思います。燈燈庵は東秋留にある 懐石料理屋です。」

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編集委員評:   「共に枝垂桜を撮影したものですが、味わいの深い作品で す。両者に共通するのは、黒い陰を巧みにとり入れて、艶やかな桜の花との対比をなし、また不規則な形状の桜 の幹や枝、規則的・人工的な瓦を配して単調になりがちな花の絵にアクセントをつけています。
   綺麗な桜をただそれだけ撮るのでなく、一歩下がって情景に潜む意味合いを包括的に掴もう とする作者の姿勢が伺えます。代田さんの文人たる所以ですね。」(by B&W)


編集委員の投票で選んだ作品(計6点)

#258a号から、藤田正俊 さん(川崎市)の作品、「お台場海浜公園、夕景レインボーブリッジ」

作者コメント:   「3月19日「フオトエキスポ2004」を見に出た時のお台 場の昼前と夕景色です。海浜公園の夕景は、赤フイルター撮影にMiXソフトで赤を被せています。」

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編集委員評:   「人物をとり入れた場面での一瞬を上手に撮る技量に長けた 藤田さんならではの作品ですね。じっくり鑑賞するとこのイメージは実に考えられた作品であることがわかります。 この絵には3組か4組のカップル(人が2人という意味で)がいます。これらの人物によってイメージの遠近感が 強調されていますが、更にこれらの人々のしぐさにも夫々に生活感が表れており一層面白い写真になっていますね 。河岸を散歩する親子、立ち話をする主婦、手を繋いで黙って歩くアベック。
   技術的な面では、立ち木とその支えの陰にカメラを置いて、真横から直に差す夕日の影響を防 いでおり、実に機転を利かせた対応だと思います。ただこの立ち木とその支えが3組のカップルの位置関係のリズ ムを破壊しているのは残念です。
   そこで、イメージ加工を行って修正を試みたのが下の写真です。

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   筆者もまだまだ未熟なので模様があって明度が変化する部分の修正は出来ませ んが、「3組のカップルの位置関係のリズム」というものが納得できることと思います。」    (by B&W)



#258b 号から、百瀬 さん(長野県塩尻市)の作品、「哀れ紅梅」

作者コメント:   「やっと春めいてきて、心も弾みだしたんですが、冬に 逆戻りしました。」

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編集委員評:   「春を告げた紅梅が、名残雪の帽子をかぶり、吹雪の中で、蕾 も凍えている。スローシャッターでの吹雪の描写と、背景に建物の壁を配したことで、雪国の生活の厳しさを感じさ せる作品になったと思います。」(by 風来坊)


#258c号から、miti さん(神奈川県川崎市)の作品、「大宰府にて・大欅の根元」

作者コメント:   「3月10日福岡に行ったついでに40年ぶりに大宰府を訪れました。 天満宮の境内は大きな欅がたくさんありますがこれはすごい。」

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編集委員評:   「大宰府の梅を撮りに行き大榎の根を撮ったのはどうして でしょうか。圧倒的な存在感に誘われたのではないかと推測します。長い年月を経た証明であり、植物の持つ母 性が影響を与えるのでしょう。藤田さんが撮った太った女性のオブジェの安心感も共通のものと思えます。」(by 桃源)


#258c号から、森 仁 さん(名古屋市)の作品、「乙川のお祭り」

作者コメント:   「夜になると提灯をともし、町の中を山車が とおります。小さなお祭りですが、地域の人々が一丸なり、伝統文化を伝承して人情溢れるものでした。ここの 山車は、彫り物が素晴らしく一味違ったものを味わえました。」

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編集委員評:   「山車の周りの若者たちが、ストロボのスローシンクロに ピッタリと動きがマッチしていて、とても動感あふれる素晴らしい写真に仕上がっています。祭りの喧騒と華や かさが交じり合い、楽しい雰囲気が良く伝わってきます。写している森さんも一緒に祭りの中に溶け込んでいる ようで、そうでなければこのような写真は撮れませんね。」(by ジェイ)


#259a号から、椿 勝彦 さん(北海道)の作品、「さっぽろ蘭展より」

作者コメント:   「今日は、椿勝彦です。さっぽろ蘭展の蘭を投稿致します。 撮影日は3月の18日と21日です。
   ホームページは更新して欄を満載しています、ぜひおいでください。」

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露出 1/160 F値 2 ISO 100 補正 0.67 フラッシュ 発光せず レンズ焦点 50.00mm

編集委員評:   「作者の一連のランの作品は、どれをとっても、趣のある素晴 らしい作品だと思います。カメラの、被写界深度を上手く使ったボケの美しさ、考えられた背景の色の配置、アンシ ャープなぼかしやアンダーのコントラストで、柔らかな花の写真に仕上げた作者の技術の高さを感じます。」(by 風来坊)


#259c号から、安廣秀夫 さん(岡山県)の作品、「伯耆大山」

作者コメント:   「3月26日、知人が伯耆大山へ行き写真を撮ってきま した。デジカメではないのですが、私がスキャナーして送れるようにしました。こんな写真でもいいのでしょ うか?富士山に間違えそうな写真など送ります(5枚)彼はノートパソコンは持ってるのですが、まだインタ ーネットに接続してないため私が代わって送ります。(大森保武氏記す)」

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編集委員評:   「まるで絵画のような安廣さんの写真は、基本に忠実な点 が見る人に安心感を与えます。一見絵葉書のような風景も白耆大山の形の良いまたクリアな空気が写真から伝わ ってきます。一点気を付けるとすると、右端の四角い建物はカメラを左に振って、入れないほうが良かったと思 います。」(by ジェイ)


#259e号から、長谷川雅彦 さん(岐阜市)の作品、「建長寺三門」

作者コメント:   「先日は鎌倉に行ってまいりましたので古寺をい くつか訪問してまいりました。いつもは京都ばかりの私ですので、鎌倉にも五山があったと初めて知りビック リした次第です。    建長寺三門は高さ30mにも及ぶ唐破風造りの八脚門で、安永4年(1775)に再建されたものと いうことです。」

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編集委員評:   「鎌倉五山第一の臨済宗禅寺の三門を、仏殿の鳳凰透かし彫 り窓から撮影した、いうところの額縁構図の画像です。歩いてくる二人はこのまま来ると、この窓で行き止まりに なってしまうミステリーが楽しめ、窓枠に立てかけられたモップでしょうか、余分なものも見えますが、参拝人の いることで山門の大きさが比較でき、鳳凰の姿も美しい絵画性の高い映像に仕上げているとおもいます。
   広辞苑によると、山門とは「寺院は山林にあるべきものとして山号を掲げた寺院の門」で、三 門とは、「中央に大きな門と左右に門の三つを一門にした形式で、禅寺の仏殿前に建てられた門」であり「仏殿を 涅槃・ねはん・として、そこに入るための三解脱門<空門・無相門・無作門>に擬している」ありがたい門だそうで す。」(by 無精ひげ)


#259d号から、野澤 正之 さん(東京都八王子市)の作品、「RAWで撮影」

作者コメント:   「モクレンを RAWで撮ってみました。講習で、撮影する 前にカメラにきちんとした設定をしておき、レタッチは最小限にとどめるように教えられましたので、その通り にしてみました。
   モクレンを撮っているとき、シジュウカラが現れたので、レンズを交換して連写したところ 、6枚撮ったところでレリーズできなくなりました。いろいろなポーズをしているのに、いらだちながら待つこ と3分余、レリーズ復帰したのは飛び去った後でした。やはり、鳥にはRAWは無理かなと思いましたが、結果画 像は実に精細でした。これからは数を撮るだけではない撮影方法を考えてみようと思います。他に、メジロと Jpegで撮った清流の魚カジカを送ります。」

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編集委員評:   「野沢ワールドの代表でしょう。しじゅうがらと名前は聞い ていても実際に見たのは始めてかも知れない。こんな縞柄の洒落た鳥に結婚式の新郎を想像したのは灰色の縞が モーニングを連想させるからだろう。RAWの作品をもっともっと多く見せてください。新しい鳥もお願いしま す。」(by 桃源)


#260d号から、藤田正俊 さん(川崎市)の作品、「恵比寿にて」

作者コメント:   「桜も花吹雪から葉桜になり、新緑が美しくなってきま した。俳句の季語は「山笑うが如し」だそうです。恵比寿での画像をメールしますので宜しくお願いします。4 月6日東京都の山手線恵比寿駅から動く歩道で恵比寿ガーデンプレイス。
   「ボテロ野外彫刻展」 2004/3/31-7/11 野外展示で無料。 http://www.morganstanley.co.jp/aboutms/community/botero/
   豊満な小錦的男女の造形は、とても参考になりました。快晴で高層ビルの日影との露光差が ありすぎたのと、スケッチブック持ってじっくり見るため、また出掛ける予定です。」

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編集委員評:   「この写真の良さは、豊満な小錦的女性の造形と、これまた 豊満な見返り美人との対比にありますね。この組み合わせが実にヒューモラスです。見返りのこの一瞬をデジカ メに収めた藤田さんに脱帽です!
   デジカメではよくあることですが、ホワイトバランス(WB)がオートの場合で、光の当た る所と陰になった所が混在した場面では、カメラがどっちのWBに合わせてよいのか迷いがちです。このイメージ でも迷いの結果が陰の部分の少し強めの青紫に出ているかなという気がします。こうした場合はWBを日陰に設定 するのが正解でしょうか。」(by B&W)



3 今月のデジカメ関連サイト・ピックアップ


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   今月のお薦めウェブサイトでは、カナダの職業写真家、Andre Gallant (アンドレ・ギャラン)、をご紹介いたします。

   アンドレ・ギャランは大西洋に面するカナダのニュー・ブランズウィック州で活躍 する自然・旅行写真家です。幼少より美術、音楽に親しみ、1988年以来写真家として活躍を始めました。写真は独学で 学んだようです。本誌第8号にご紹介した同じくカナダの写真家、 フリーマン・パターソン、との共著「PHOTO-IMPRESSIONISM and the Subjective Image (写真印象派主義と主観的イメージ)」、や、共催する写真講座で息の合ったところを見せております。

   上のカットに使用した写真は、アンドレ・ギャランの最新の著書、 「DREAMSCAPES-Exploring Photo Montages(夢風景-フォト・モンタージュ(の可能性)を探る)」ですが、ここにギャラン の新しい写真技法・技術への飽くことの無い探求心が伺えます。普通の銀塩フィルムだけでなく、ポライドフィルムによる撮影 (これは写真における一つの確立した分野です)を積極的に試みており、また写真印象派主義の様式も自己の表現手法として ものにしています。

   作品を見て筆者が感じた作風は、シンプルな構図、オブジェ(対象)を対象化するので なくそれと同化する態度、モノトーンに近いものから華麗な色までの自由な色使い、自然の中のパターンの強調、といった素 直で単純かつ自由な作風で、意識はせずともかなり東洋的なものを感じます。気を張ることなく安心して見ら れる写真です。

   下記に、ギャランの各作品の題を日本語に訳し、各題毎のリンクをつけましたのでご覧 下さい。元になったギャランのウェブページは ここです。


秋日記〜2000年11月22日(毎日一枚〜自己アサインメントによる作品)
下のForwardを次々にクリックして翌日の写真をご覧下さい。

リンゴの花
ブルー・アイス
腐食
腐食II
エキゾチックな花
初雪
印象派主義
イスラエルの木々
マリオレル庭園
メキシコ
モロッコ
砂丘
砂丘II
ナミブ砂漠
トスカナ〜緑のシリーズ
トスカナ〜赤のシリーズ
熱帯
メキシコII
守護者

ニュージーランドの雨林
誘惑

新しいギャラリー

アラスカ
タージマハール

ポラロイド SX−70による写真

シリーズ1
エッサウィラ(モロッコ)
モロッコの民芸品
彫刻の顔
トーテム
古い車

月別のギャラリー

2004年1月
2004年2月
2004年3月

   マクロメディアのフラッシュを使っているため上にリンクがとれなかった、フォトエッセイの Islands(島々)とShrine on the Ganges(ガンジス川の神殿)は 元になったギャランのウェブページでご覧下さい。



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   「晩夏のフレンチ・リバー村」 吉村和敏氏撮影 複写厳禁。

   さて、今月号での本欄は(ゴールデンウィーク特集というわけではありませんが)特に アンドレ・ギャランの活躍するカナダ東海岸にちなんでもう一人の職業写真家、吉村和敏氏、をご紹介いたします。

   吉村和敏氏は特にカナダ東海岸の諸州、ニュー・ファウンドランド州、ノバ・スコシア 州、プリンス・エドワード・アイランド州、そしてニュー・ブランズウィック州の風景を専門にされている写真家で、現在は 東京を本拠地として活躍されています。

   ホーム・ページ のご本人のプロフィールを抜書きしてみましょう。
   1967年長野県松本市美芳町生まれ。念願のプロ写真家をめざし、弱冠20歳で単身カナダへ撮影旅行に出る。 プリンス・エドワード島の美しい景観と人びとの素朴な暮らしぶりに魅せられ、農作業のアルバイトをしながら1年間暮らして 写真を撮る。以後今日まで、自然の営みと人の暮らしが互いにとけこむようにして息づいている美しい風景を求めて、アトラ ンティック・カナダを中心に北米各地で取材を重ねている。光や影を繊細に捉えた叙情的な作風にはファンが多く、今最も注 目されている若手写真家の1人である。2003年 カナダメディア賞 大賞受賞。

   吉村氏の作風は、カナダのすばらしい風景を、奇を衒うことなく素直な気持ちでオブジェ に対する思いやりというものをもって接しています。ギャランとの共通項を感じますね。これは風土(長野県といいカナダ といい)がその作風を決定付ける好例とも申せましょうか。

   下記は作品のリンクです。カナダの美しい風景をお楽しみ下さい

フラワー・ロード
晩夏のフレンチ・リバー村
遙かな入江
暮れなずむ岬
追憶
秋色のトンネル
ニューファンドランド
ニューファンドランド(続き)
ノバ・スコシア
「赤毛のアン」
ニュー・ブランズウイック
ケベック・シティー
カナディアン・ロッキー



4 今月のおすすめフリーソフト

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   本欄では、デジカメ関係のフリー・ソフトをご紹介する趣向です。が、今月号は ゴールデンウィーク特集として(又は編集長の怠慢のせいか)デジカメと全然関係無いソフトです。これは如何言うわけか メールマガジン「写真を楽しむ生活」で最近紹介されたものです。

   まずはソフト作者、Futaba Kengo氏,の説明から:

   「QuitSmoking は 禁煙カウンターです。禁煙を始めてからの日数や経過時間、吸わなかった 煙草の本数や価格を計算して表示します。このソフトが禁煙をしている方の励みになれば幸いです。」

   筆者も「禁煙カウンセリング」に2週間に1回通っており、禁煙のつらさと禁煙を試みてい る者の心理状態をよく理解しております。禁煙をトライしている人にとってどんな励ましも大切なものです(「な〜〜んだ、やっぱ りダメか、意志薄弱だな〜。」などという言葉は厳禁です!!(-_-;)、そう言う意味でこのソフトは、小さいながら一つの励まし になるでしょう。QuitSmokingのダウンロードはここ から。

   なお、読者の皆さんの中で上記ソフトのダウンロード・インストールに 関しご質問がありましたら、編集部までお寄せ下さ い。理解している範囲でお答え致します。



5 デジカメ技術のおさらいレッスン

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   この欄は、読者の皆さんが身につけたデジカメ技術の基本を、もう一度おさら いすることを目的にしております。今月は大概の皆さんがデジタル・イメージの保存に使用するCD−Rについて 考えてみましょう。

   1.そもそもデジタルとは何でしょう?

   デジタルに相対してアナログという言葉があります。この両方の言葉を定義し てみましょう。

      アナログ:ある量やデータを,連続値で表現するのが「アナログ」である。
      デジタル:ある量やデータを,連続していない離散値で表現すること。

   「なんのこっちゃわからへんわ。」ですね。

   では下のリンクをご覧下さい。なんとなく解ってきます(^.^)!
   『アナログ』と デジタル』

   要するにデジタルとは「0」と「1」(「オン」と「オフ」)をつかって物事 を表そうということなんです。

   では「0」と「1」を使った算数は何でしょうか?はい、皆さんご存知のよ うに2進法と呼ばれていますね。下のリンクでは普通私達が使う10進法と2進法の違いが説明されています 2進法

   2進法の3桁をまとめるやり方が8進法、2進法の4桁をまとめるやり方が16進法 になり、「桁数が大きくなる」という2進法の欠点を8・16進法に変換することで克服しています。こうして複雑 な数学的・言語的概念がよりすっきりと表現されます。16進法では0から9までの数字とAからFまでのアルファベッ トを使います。

   2.CD−Rのしくみについて

   CDとはコンパクト・ディスクの略で、CD−RのRはRecordable (記録できるーでも1回だけ)という意味です。何回でも消したり記録したり出来るのはCD−RWですね。RWは Rewritable(再書き込み可能)という意味です。

   下のリンクをご覧下さい。普通のCD、CD−R、CD−RWの概念が理解 出来ます。
   CD−Rの豆知識

   これら3種のCDの溝の幅は1.6ミクロンと言われております。ミクロンは 1mmの千分の一で、人の髪の平均的な太さは50ミクロンといされています。1.6ミクロンはどんなに狭いか分 かりますね。CD−Rでは、溝の中の光に反応する色素にレーザー光線を当てて「焼いてしまい」、その部分は化学 反応で「黒く」なります。これが「1」となります。こうして「焼かれた」部分の「1」とそうでない部分の「0」 の組み合わせで情報を記録するわけです。

   3.CD−Rの耐久性について

   この話題が、実は、今月のメイン・テーマです。

   今年(2004年)4月21日付けの英国「インデペンデント紙」の記事に よると、オランダのコンピューター雑誌「PCアクティブ」誌の実験では、暗い保管場所に三年間保存したCD− Rのあるものはデータが全く読めなくなったものがあったそうです。つまり「焼いて」「黒く」なった部分の色素 があせて「1」が「0」になった、要するにCD−R全体が「0」だらけの信号でなにも読み取る情報が無くなっ たということですね。

   他にも、「6ヶ月」で色素が褪せ始めたなどという報告もあり、CD−R の耐久性についての不安が存在します。こうしたことから公の記録を扱う機関では、CD−Rは記録用には使用し ないのが一般的なようです(例えば、最低30年は保証されている磁気テープを使用)。

   実はCD−Rの保存性・耐久性に決定的な影響を及ぼすものは「光に反応す る色素」の安定性なのです。現在、CD−Rの色素には次の三種類のものが使われています、

         A.シアニン系色素
            値段安い。熱や光に弱い。長期保存には向かない。

         B.フタロシアニン系色素
            対熱性、対光性が向上したもの。

         C.アゾ系色素
            更に対熱性、対光性が向上したもの。DVD−Rにも使用。

   4.CD−Rの長期保存の注意点

         A.まず、上記で触れたとおり、耐久性は値段に比例するものなので、安物 のCD−Rには手を出さないこと!

         B.重要データ保存の際、経済性を厭わなければ2枚同じものを焼くこと。

         C.新しくかつ信頼できる記録メディアが出る度に、過去のデータ をそのメディアに移すこと。現在の段階では、CD−RのデータをDVDへ再記録することがこれに相当しましょうか(例えば、TDKによる DVDの寿命は70年)。

   読者の皆さん、今度の週末には今まで記録したCD−Rを取り出して、データ が残っているかチェックしてみましょう!!

   意外と「真っ青」になったりして、、、、、。(-_-;)



   

6 特別記事       野鳥に魅せられて


特別寄稿 by 野澤正之氏、東京都八王子市在住


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デジタルカメラ・イメージ 野澤正之氏,2002年撮影 複写厳禁。

   今月号は、皆さんお馴染みのベテラン、野澤正之氏の特別寄稿、 「野鳥に魅せられて」を掲載します。
   野澤氏は数十年にわたって野鳥の声、姿を観察し記録に収めてこられた方で、本誌編集委員や 「デジカメ作品交歓」の読者の間ではその作品は常に高く評価されております。
   本記事を纏めるに当たって特に過去の銀塩写真をデジタル化していただき、又未発表のデジタル・ イメージも編集局にお送り下さいました。記事と写真を合わせて別ページに纏めましたので、 ここをクリックして下さい。

   写真を趣味として追求する際のアプローチの仕方の一つに、テーマを一つ選び それを長期間続ける、というやり方があります。これはそのテーマそのものについての知識、それを追求する為の知 識や技術が磨かれ、それは自己や己の生活を律し、世俗的ではあれ、ある意味で「解脱」の境地にまで自らの精神を高 めるものだと思います。そして「解脱」の境地は、実は森羅万象あらゆる物、事柄に通ずる地平だということを、野 澤さんの随筆は示しています。

   野澤さんの場合は、自然に対する深い愛情が先にあったわけで、カメラの趣味が先行したわけで はありません。ここが、普通のカメラマンと大きく違うところでしょう。カメラは、自らを自然に浸し自然と同化す るという希求をかなえる道具であるわけです。従って、銀塩かデジタルかなどという論議に囚われることなく、素直 な気持ちでデジタルの良さを見出し、それをとりいれたのでしょう。野澤さんの写真はどれもこれもこの「素直な気 持ち」で溢れかえっていますね。

   「融通無碍の境地に立ち、技法の未熟さを厭わなければ、山川原野や巷には、いくらでも写真の 素材が満ち溢れているのですから・・・。」というお言葉は、一事を極めた者だけが重みを持って発することの出来 る感想でしょう。野鳥を撮っても、草花や昆虫を撮っても、野澤さんの写真はびしっと決まっています。

   野澤さん、どうもありがとうございました。



7 編集後記


 「月刊デジカメ作品第17号」いかがでしたでしょうか?

   ゴールデンウィークは、皆さん如何お過ごしでしたか?きっと沢山の写真が 撮れたことでしょう。来月号では普段とは違った珍しい写真が本誌を飾ることと思います。

   今月号の目玉はなんといっても野澤さんの随筆でしょうね。自分にとっての 継続する写真テーマはなにか、しばらく考えてしまいました。単なる「風景写真」というテーマでは今やっているこ とと同じです。これを、鳥なら翡翠、動物なら熊、天体なら月、などと大好きな対象にもっともっと絞りこんでいく わけですね。自分の奥さんのヌードを写真テーマにして何年も撮りつづけ、とうとう本まで出版されたカメラマンの 方がいます。これこそ大好きな対象の最たるものです。

   筆者はCD−Rをデジタル・イメージの保存に使っておりますが、ヤフーグ ループ「dgck」では現在盛んにバックアップの方法についての議論がなされています。どうやらハード・ドライ ブ(外付け)がハイアマチュアのチョイスのようです。是非「dgck」を覗いてみてください。


   より良いメールマガジンを作り上げようと思っておりますので、皆 様のご質問、ご意見、ご批判、お励まし、お待ちしております。どうぞメール・マガジン「デジカメ作品交歓」 にふるって御投稿下さい。メール・マガジン「デジカメ作品交歓」の最新号は発行責任者、木村元一、 のウェブ・サイト http://www.dgck.net/index.htmlでご覧いただけます。

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 それでは皆さんの力作、楽しみにしています。ごきげんよう!


「月刊デジカメ作品」編集局
発行責任者:木村元一
編集責任者:神原幹郎
編集委員:うぐい、ジェイ、スカイウオッチャー、桃源、風来坊、無精ひげ、B&W (あいうえお順)