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SmallTitle姉妹誌

第2号

平成15年2月1日発行

1 はじめに

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 大衆化と専門化は対立した概念です。あらゆる運動は一定の発達の段階で 必ずこの矛盾に遭遇します。というより本来存在したものが表面化するといってもいいのでしょうか。 レベルはあまり重視せずに参加者の多い大衆化に比重をかけるか、あるいは少々参加者が減っても レベルをあげて技術的進歩をめざすか、という問題です。

 幸い、皆さんの協力の元、デジカメ作品交歓会も現在まであまり難しい問題 にも遭遇せずに進めてきましたが、これは「写真を投稿する」という皆さんの行為自体がすでに パソコン操作や画像処理という一定のハードルを超えている事があり、またデジカメというハード 自体が写真を撮るということにおいて一定の技術水準を保っている事などがあったと考えられます。

 今後も門戸を広くして参加する皆さんがデジカメを楽しいツールとして使い込んで いけるよう「デジカメ作品交歓会」を進め、技術の向上にはインターネットをはじめ色々な形で 行われている理論や技術も吸収しながら「月刊デジカメ作品」に比重をおいて進めていければと考えて います。

 皆さんの積極的な参加を期待しています。

(発行責任者:木村元一)


2 今月の特選デジカメ写真


 今月は、「デジカメ作品交歓会」の既刊#178号から#184号までに掲載 された写真のうちから7点を選びました。

#180a号から、井上純一さんの作品、「名月院竹林」
作者コメント: 「3点の作品お送り致します。いずれも昨年の12月99日に大雪の降った日  北鎌倉から鎌倉へ行った時のデジカメ写真です。鎌倉も結構積もっており、横殴りの雪の中スチルカ メラとデジカメを担いで行ったのですが、デジカメのほうが快調で、スチルカメラはAFで電子 カメラではあったのですが、寒さで巻戻しが途中で止まってしまい巻戻ったものと思って裏ぶた を開けた所、撮り始めの所と中間で光を被ってしまいました。この点デジカメはこのような事が無く、 心配すらする事がないことを改めて実感致しました。」

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編集委員評: 「2002年12月9日明け方から関東地方では珍しく正月前に雪が降り積 もった日、井上氏は茨城県の利根川左岸の岩井市から、関東鉄道常磐線水海道駅に乗り東京を通過して、 横須賀線で鎌倉駅まで、雪景色を撮影に片道2時間以上かけ出かけられた熱意を称賛します。
 古都鎌倉は四季の草花や木々のおもむきがあり、夫々風情を持っていますので、 雪降る鎌倉では傑作写真の撮影に、満足されたことと存じます。
 「デジカメ作品交歓会」#180aには、「名月院・濡れ縁」「名月院・竹林」 「鶴岡八幡宮」の3点を井上氏は掲載されています。
 名月院は紫陽花で有名な、鎌倉の小さな閑静なお寺さんです。「名月院・竹林」 は竹林に白く雪が積もり、竹の間から梅の木々と、借景の里山が雪景色に望めます。
 番傘を広げて歩けるほどに手入れの行き届いている竹林は、逆光ぎみの竹が、 水墨画的なたたずまいにをしており、それらの竹の間から見える、明るく開けた里山肌は、 緑と紅葉が彩りをして、鎌倉風情を見せています。望み得るならば、竹林に鎌倉・名月院の場所・ 庭園を表わす、例えば五輪塔などが在れば、雪景色は満点に仕上がることでしょう。」(by 無精ひげ)


#182号から、平井 寛さんの作品、「本栖湖の富士」
作者コメント: 「今年は、休みが長いもので、年末から年始にかけてデジカメに 出かけております。富士山の日の出を見ようと出かけたのですが、元旦は無理なようなので、今は 岐阜高山に来ています。初夢は、1富士、2鷹・・と申しますので、12月31日に撮った、 富士山の写真を共有フォルダーに4枚アップしました。日の出は、残念ながら雲の中からチョット顔 を出したものしか、本栖湖では撮れませんでした。 」
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編集委員評:  「色々な富士山の写真を見ましたが夜の富士山の写真を見たことはありませんでした。 何か不思議で神秘的な感じがしました。暮れ行く空、流れる星、岸と湖に写った明かり、山の黒さ、バランスが取れた構図で見ていて飽きがきません。 岸辺と水に映った光がポイントになり画面が引き締まっていると思います。
この他の一連の富士山の写真についても作者の技術の高さを証明している作品だと思います。 毎回作品を見るのが楽しみです。」(by スカイウォッチャー)


#182号から、平井 寛さんの作品、「本栖湖の富士」
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編集委員評: 「 正に日本画の世界・俳画の世界です.雲にさえぎられたことで かえって幻想的である.時間の経過の予測が、さかのぼっても想像でき、次の展開も期待できる. 1枚の絵に触発されて、自分だけの世界に浸れる.この1枚の写真に触発される世界に遊べる作品である. 平井さんワールドの傑作であると思う。平井さんはとにかく撮影対象を求めて出かけていく。 その第一歩が非常にすばらしいと思う.その探究心を是非学びたいと思う.」(by 桃源)


#180b号から、藤田正俊さんの作品、「縁起物(千駄木にて)」
作者コメント: 「私のCD−Rの「千駄木・谷中」にある干支・未の映像は、 「いせ辰」のものです。浅草仲見世などで売られている、江戸玩具・千代紙の老舗の本店と新店が 谷中にあるので、暮れには出かけては来年の干支を購入しています。」
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編集委員評: 「 鮮やかな緋毛氈の床机と座布団、格子行灯の絵模様、そして街路樹 の鮮やかな緑、店の暖簾と看板、店内のだるまと招き猫や商品等の色再現の素晴らしさには感心します。 ピントもシャープで、屋外と屋内の明るさのバランスの良さ、最適な露光でこの作品を生み出した作者 の技術の確かさを伺わせます。見てて見飽きぬ、床机に座ってみたい・・ほのぼのとした暖かさを 感じるのは、私だけでしょうか?」(by 風来坊)


#180a号から、代田泰彦さんの作品,「上野東照宮牡丹園にて、雪と牡丹」
作者コメント: 「正月2日、3日に上野の牡丹園に行きました。3日は雪が降った ので慌てていきました。雪の牡丹を是非撮りたかったからです。残念ながら雪が少なくそれらしく 撮れませんでしたが見てやってください。」
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編集委員評: 「一体{花}の種類はどれくらいの数あるんでしょうか? 大きさだけを見ても千変万化、直径1Mにもなるというラフレシアのような大きい物から、 虫眼鏡でやっとみえる小さいものまであきれる程沢山ありますが、牡丹も大きい花に入る のでしょうね。冬牡丹は春牡丹に比べて無理をして咲かせているだけに、やや小ぶりですがその分、 わら囲いが添えられたり、時には雪が積もったりして春とは違った趣があります。
 中国国交回復を記念して造られたという上野東照宮牡丹苑、元旦から見ることの できる冬牡丹は花の少ない時期だけに貴重な花です。
 ところで花の写真も多種多様、花だけが主役の図鑑的なもの、花弁などをマクロ で撮ったもの、木に咲く花、お花畑のような群生しているもの、生け花など色々な花をアレンジ したもの、主役の一部に添えられているもの、、盆栽などなど多種多様です。
 さて問題の写真はわら囲いのかわりに潅木で寒さを防いだ真紅のぼたんに真っ白 な和傘をかざして一幅の絵としたもので、ちよっと作りすぎの感もしますが、上手に纏められていると 思います。
 画面では音はありませんが、回遊庭園になっている苑内には琴の音が流れ、真 っ赤な牡丹の集まりが何の木でしょうか淡雪をかぶった潅木に囲われて独特の味わい深いものになって います。
 そこをさりげなくデジカメに収めたのは作者のセンスによるものでしょう。良い 作品だと思います。降雪の中わざわざ駆け付けて撮られたとか、代田さんご苦労さんでした。」 (by うぐいす)


#181号から、糠谷健三さんの作品、「氷と雪の世界」
作者コメント: 「年が明けて一月の四日に大雪になったので家の中から外の景色を 一枚撮ってみました。この日は町内の新年会があって出席した人達は皆さん口々に雪かきで参って しまったとの話でもちきりでした。一月の九日今朝の午前四時の外気温はマイナス17度でした、 でも家の中は暖房が効いて非常に暖かですよ、窓に張り付いた結露がしばれて結晶のようになって いたのでこれも撮ってみました。」
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編集委員評: 「美しく、自然の不思議さが伝わってくる写真ですね。白一色の雪と氷 の世界にもこんな美しいものがあるのです。水や金属、無機化合物など結晶化する物質は核生成物質(実は不純物)が多ければ多いほど、また冷却速度が速い ほど、多相の場合は界面エネルギーの障壁が低いほど、結晶化し易く、結晶粒子の数も多くなります。 反対に純度が高ければ、粒子は競合する他の粒子が少ないので大きくなります。半導体に使われる シリコン等の純度はとても高いことはご承知のとおりですね。こんなことを考えながらこの写真を 見つめると、単に不思議に思える自然の営みも、「ある程度」科学の裏付けができるものだと思い至り ます。(もちろんこの世には解らないことはゴマンとありますが、科学が信仰になって 「道をはずさない」限り、人間は少しづつと解明をしていくことでしょう。)写真を構成する3っつの エレメント、樹枝状晶、のっぺりした平坦な領域、そして幾重にも重なっているように見える葉っぱ状 の氷、これらがまるで三重唱をしているように見えませんか?微妙に変化する氷の色調がきれいです。 そして樹枝状晶の成長にすっかり水をとられて現れたガラスの生地の裏側がアクセントになっています。」 (by B&W)


#177号から、前川治嗣さんの作品、「美しい貝」
作者コメント: 「今年は、皆さんの素晴らしい画像のお陰で、時間がスッゴク短く 感じる、楽しい時間を過ごせる事が出来ました。画家が書いた様な貝(サオトメイトヒキマイマイ)です。 。」
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編集委員評: 「作者の前川さんは、貝の収集に南方にまで行かれることは、 デジカメ風景交歓会の読者の皆さんはよく知っていらっしゃると思います。そんな背景を心に留めて この写真をじっくり見ると、貝に惚れた男の熱情を思い、オブジェ(早乙女糸引柄眼(?)とこれまた 美しい名前がついています)の現す自然の不思議さを思わせ、その自然を作った存在にまで思いを至ら せる力があります。どうしてこんなにすっきりした螺旋状のコーンができるのか、どうしてその螺旋の 上に色が脇道に逸れないで(つまり数学的にわりと簡単に表せる形で)描かれているのか、どうして 三種類の色があるのか。「画家が書いた様な貝」という作者のコメントは正に的を得ています。遺伝子 にある、というのは本当の答えではないですね。科学の道は厳しい!
 写真に強いて難を言えば、マクロで光量が充分で絞りきっているので被写界深度が十分にあり、 ピントは十分なのですが、光が強すぎて背景の黒色の台の極小部が浮かびあっがっていること (いっそうの事、一部塗ってある黒マジック(?)を全面に塗り完全無反射にしたらよかったですね。)と単一の正面からの照明というところでしょうか。 フラッシュにディフューザー(たとえば白色や半透明のプラスチック)をつけたら少しは改善 されるかもしれません。」(by B&W)


3 今月のデジカメ関連サイト・ピックアップ


 写真関連サイトとして、今月ご紹介するのは、 親子(父と息子)旅行写真家のSaro & Luca Di Bartolo Photography です。

http://www.sarodibartolo.it/foto.htm

 サーロ(父)ルーカ(息子)ディ・バルトーロは名前やURLからお判りのとおりイタリヤ人 です。サーロは旅行業関係の仕事から写真を始め、主に旅行写真の分野で活躍しています。両人の写真共、数々の 賞に輝いています。
 日本の雑誌の表紙も飾ったようです。 http://www.sarodibartolo.it/thumbworks.htm
 このサイトは写真のカテゴリーと数が多いので、一通り見るのがしんどいかも しれませんが、その価値はあります。旅行写真がベース故にどの写真も「決まって」います。色がすばらしい、 形がすばらしい。やはりイタリア人の目を通して見たオブジェはこう記録されるのかと思います。どの写真もたっぷりと空間が存在しています。事物を数多く観察 してきた人の余裕と言う物が感じられます。お薦めです!


4 今月のおすすめフリーソフト


本欄では、直接にデジカメ・イメージに関わるフリー・ソフトをご紹介する趣向です。
 その前に、創刊号でご紹介したフリー・アンチスパイウェアー、AdAware について、少し加筆をいたします。
 アドアウェアーの作者はどうも熱意がなくなったというか、ホームページの更新も昨年9月25日以来されておらず、 したがってソフトの更新もありません。前号の原稿を書いたあとで判明しました。現在の時点で良いアンチスパイウェアーは、 スパイボットと呼ばれるもので、日本語にも対応になっております。

 正式名Spybot S&Dはドイツで作られたソフトで
http://security.kolla.de/
からダウンロードできます。

 筆者の使用感ですが、これがフリーとはすごい!スパイウェアーのデータベースには3000以上のスパイウェアー が登録されており、カスタマイズの範囲も広いです。

 さて、本月のお勧めフリーソフトは、日本語ソフトのデジカメ-ノイズリダクション
 このソフトはデジカメ画像に発生する3種類のノイズ除去を行うソフトです。
 3種類のノイズとは、
 1.CCDの欠陥による画像の一定位置に常に現れる輝点
 2.光量不足で画像全体にざらざらしたランダムノイズ
 3.長時間露出によるCCDの熱ノイズ
です。
 2のランダムノイズに対しては、メディアンフィルター、1と3のノイズに対しては、 あらかじめレンズキャップをつけてバックグランド画像を作成しておき、それぞれ、ピクセル置換、ダークフレーム 減算という方式でノイズ除去を行います。ヘルプファイルに詳しい説明がありますので、初心者でも安心して 使用出来ます。
デジカメ-ノイズリダクションのダウンロードは
http://www3.alpha-net.ne.jp/users/mity/
 同サイトには他にもデジカメ関連のソフトがあります!


5 編集後記


 「月刊デジカメ作品第2号」いかがでしたでしょうか?
 今月号は季節がら雪が登場する写真が半数以上になりました。この時期デジカメ する時はまず体の防寒対策をしっかりとし、風邪などひきませんように。それと,井上さんの コメントにもありますが、寒さはカメラの機能にも影響を及ぼします、デジカメの防寒対策も いっしょにとりましょう。寒いと電池の性能が落ちますので、電池を暖めたり、余分の電池を用意したほうが いいですね。冷たくなったカメラを急に湿度のある暖かいところに持っていくと結露の恐れがあります。 カメラをビニール袋に入れるのも一案です。

 より良いメールマガジンを作り上げようと思っておりますので、 皆様のご意見、ご批判、お励まし、編集局までお送り下さい。

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 それでは皆さんの力作、楽しみにしています。ごきげんよう!


「月刊デジカメ作品」編集局
発行責任者:木村元一
編集責任者:神原幹郎
編集委員:うぐいす、無精ひげ、桃源、風来坊、スカイウオッチャー、B&W