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SmallTitle姉妹誌

第12号

平成15年12月1日発行

(下記廃刊後記入)

   (「月刊デジカメ作品」は廃刊なっています。
続刊はデジカメワークス」(ここをクリック)をお楽しみください。)

1 はじめに

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   「デジカメはどこまで進化するのでしょうか、年末を控えていろいろ新 しい製品が出ているようです。ところで、撮られる写真の方はどうでしょうか、高度な撮影技術がハードの進 歩によって大衆化したことによつて、様々な写真が撮られています。それこそ千差万別、今回の12号の選定 でも票が細かくわかれてしまったように、何を評価するか選考委員の見方もいろいろと別れてしまいます。特 定のジャンルを決めていない事もありますが、それだけハードの性能も含めて皆さんの腕が上がったというこ との証しなのでしょう。お金も時間も掛けた本格派、アート風、スナップ調、デジカメ作品交換会に送ってこ られる作品も実にバラエティが出てきました。纏めていてもなかなか楽しいものです。多様化の時代の象徴の ようです。デジカメが今後どのように発達していくのか、メールマガジンとしても今の方法をそのまま続けて いいのか、改良すべき所があるのではないのか、あまりに技術の進歩が早いので追いまくられてしまいますが eグループなどで議論をすすめたりしながら皆さんとともに理論、技術を磨いていきたいと思っています。」

(発行責任者:木村元一)


2 今月の特選デジカメ写真


 今月は、「デジカメ作品交歓会」の既刊#236号から#240号までに掲載 された写真のうち、6名の編集委員各々が選んだ「この2点!」計12点と、いつものように編集委員の投票に よって選ばれた3点を掲載します。順不同です。


「うぐいす」が選んだ「この2点!」

#239a号から、平井 寛さんの作品、「夜のグラン・パレス界隈(ベルギー、ブラッセル)」

作者コメント:   「90mの塔を持つ市庁舎、今は博物館として使われ ている王の家そして、ギルドハウス等、13〜18世紀に立てられた建物が見事にライトアップされたグラン・ パレスは、(下段に続く)」

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編集委員評:   「ライトアップが綺麗に撮れてますね。すばらしい写真で す。世界遺産のグランプラス広場にあるブリュッセルの市庁舎ですが、金色に輝く姿はさすがはチョコレート じゃなかった(^○^)ダイモンドの国ベルギーです。1695年、ルイ14世率いるフランス軍の砲撃に遭い、 建物全てが破壊され後に復旧したとのことですね。グランプラス広場は文豪ビクトル・ユーゴが世界で最も美 しい広場と絶賛したそうですが、実物がいくら綺麗でも写真に綺麗に撮るにはそれなりの技術が必要です。シ ャッターを押せば誰でも綺麗に撮れるとは限りません。平井さんの腕の確かさは定評がありますが、それにた がわず立派な作品だと思います。私も時々夜景を取ったりするんですが物になりません。やはりお金と年季と 努力が必要なんでしょうね。いろいろ勉強しなければと思わされる写真です。それにしてもヨーロツパには尖 塔が多いですね。何か宗教的な意味があるんでしょうか?バベルの塔のような失敗もあるようですが・・。」 (by うぐいす)


#240b号から、崎本洋子さんの作品、「猫(まだらチャン)」

作者コメント:   「天草に住んで十年が過ぎました。天草の自然の美し さに毎日感動して過ごしています。デジカメを手にしてからは、パソコンに繋ぎさえすればすぐに見ることが できるという便利さや、電池代だけしかかからないという経済的なことで、写真をよく写すようになりました 。皆様にも見ていただきたいと思い、今年の10月より、写真を中心としたホームページ 「天草フォトギャラリー」 を開きました。カメラのことは何も解らず、ただ写しているだけです。」

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編集委員評:   「見ていてなんとなく楽しくなるユーモアあふれる作品で すね。なんとも変わったネコの姿と、これをとっている作者の姿を想像するとネコ好きならずとも思わず頬が ゆるむのではないでしょうか。普通に撮った作品も勿論悪いわけはありませんが、非日常的な対象も写真にす ると面白いものです。崎本さんのお住まいの天草はなかなかの景勝地のようで美しいな風景写真も沢山お持ち のようですが、それはそれとして、今後も思わずニンマリするような作品も紹介していただければと思います 。当会もいい写真を沢山送ってもらっていますが、皆さん、まじめ過ぎてちよっとユーモアが足りない傾向が ありますので取り上げてみました。ペット達もいろいろいますが人間と付き合って気ままにくらしているのは 猫だけですね。まだらちゃん、大事にしてあげてください。」(by うぐいす)



「桃源」が選んだ「この2点!」

#237c号から、平井 寛さんの作品、「ブルージュ(ベルギー)」

作者コメント:   「ブルージュは、ブラッセルの西、約100kmに あり、北のベネチアとも言われる水の都です。ブラッセルから快速の列車で1時間で行け、運河には50を 超える橋が架かり、とても綺麗な町です。」

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編集委員評:   「正確な年を忘れましたが、12−3年前に仕事でベル ギーを訪ねた時、この地に遊んだことを思い出しました。何故かフラシュバックのようにこの場所で写真を撮 った気がします。デジカメでなく、安いカメラでこの水を写そうとしたことを思い出します。街中が水の中に 浮かんでいるようでした。ウサギの料理を食べたことが懐かしい思い出です。イギリスでまずい料理に辟易し た後にベルギーに移りビールと料理が旨かった。ぜんぜん写真の話になりませんが、平井さんの写真はまさに ブルージュを写しているのだと思います。」(by 桃源)

#240c号から、百瀬さんの作品、「唐松黄葉」

作者コメント:   「信州はもう晩秋です。 里の唐松も風に乗って舞 い降りてきます。残り葉の程度を見ていたのですが、少し遅くなったようです。 ホームページ には他の写真もあります。」

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編集委員評:   「どうも百瀬さんの写真に弱い。多分理由は自分が生ま れ育った風景を写してくれるからと思う。感受性が一番敏感な時に五感を通して脳裏に焼き付けられているも のに対しては文句なしに反応してしまうのではないか。カラマツも私にとっては幼少期の記憶であり、この色 に自然に反応してしまう。カラマツの林を過ぎて、カラマツの寂しさを知る。一人で足に任せて歩いて行った あの日が、この写真を通して思い出される。」(by 桃源)


「スカイウオッチャー」が選んだ「この2点!」

#238a号から、神原幹郎の作品、「影絵」

作者コメント:   「夕方のイングリッシュ・ベイ(バンクーバー) で撮影しました。」

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編集委員評:   「今月は力作が多く「この一点」を選ぶのに苦労しました。 その中で一番気に入ったものがこの写真です。大げさに言えば大自然の驚異に感動しました。水平線から上空に 至る空の色の変化、雲の反射による色の変化は言葉ではうまく表現できません。自然の神秘を感じる見事な色合 いが撮れていますね。縦フレームの構図もキリット締まって間延びしていなくていいと思います。又、前景の人物 と遠景の山並みのシルエットにより奥行きも表現されていて立体感もあり深みを出しています。日が沈み今にも 暗くなろうとする一瞬の光の変化が絶妙に捉えられていて、心が安らぐ(癒し系かな?)作品だと思います。こ れからも表情豊かな自然をモチーフとした作品を見せてください。」(by スカイウオッチャー)

#236b号から、常念坊さんの作品、「柿(信州より)」

作者コメント:   「松本に住んでいます。松本は今、秋のど真ん 中です。去年撮った信州の柿を添付します。よろしく。」

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編集委員評:   「冬の厳しい風雪に耐えた老柿、折れた枝に痛々しさが 残っていますが、それでも逞しく実をつけている。雪国農村の晩秋の情景をよく描写している良い作品だと思 います。欲を言えば、やや柿の木と農家の位置が水平で、もう少し変化があっても良いのではと思いました。 もう少し右から撮り、柿木の枝下に農家を入れる構図も面白いのではないでしょうか?また、パンフォーカス の作品になっていますが、農家を少しぼかし気味にし、柿木をもう少し強調したり、畑の起伏を影で表現する 等すれば更に味のある作品に出来たように思います。」(by 風来坊)


「風来坊」が選んだ「この2点!」

#237b号から、野澤正之さんの作品、「蝶の写真」

作者コメント:   「今日は一日雨で、しかも日中の気温はこの秋最低 だったそうですね。蝶の写真を送らせていただきます。モンシロチョウ。蝶にも縄張りがあるのでしょうか、 蜜を吸っているときに他の個体が近づいたり、縄張り内で吸っているのがいると、追い払っていました。し かし、中にはランデブーしたり、ひとつの花にストロー2本で仲良く吸っているのもいます。ツガイ行動の 一種なのでしょうか。」

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編集委員評:   「作者には、いつも野鳥の素敵な写真を投稿され、楽 しませて頂いていますが、今回のペアーの紋白蝶も例外なく、ブレの無いシャープな画像は、構図も良くす ばらしい作品だと言えるでしょう。望遠レンズを使い、被写体の動きを予測し、ピントを決めてワンチャン スを待つ、そして、すばやくシャッターを押すといった忍耐力と撮影技術の高さを感じさせられます。」 (by 風来坊)

#238a号から、神原幹郎の作品、「影絵」

作者コメント:   「夕方のイングリッシュ・ベイ(バンクーバー) で撮影しました。」

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編集委員評:   「恋人同士でしょうか?Love Storyのワンカットのよ うで、この作品を見る人に、ほのぼのとした思いを呼び起こしてくれるのではないでしょうか?夕焼けの浜 辺を散歩するアベックをシルエットで捉え、詩情あふれる良い作品に仕上がっています。スナップ写真でこ のようなチャンスをものにする作者の感性の高さを感じます。欲を言えば、カメラ目線をもう少し下げて、 アベックの足元までシルエットに出来れば・・と思いました。」(by 風来坊)



「無精ひげ」が選んだ「この2点!」

#236c 号から、梶浦恭弘さんの作品、「ホキ石仏群」

作者コメント:   「国宝臼杵石仏 阿弥陀像。」

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編集委員評:   「乞食=こつじき」など日本文化には、仏教文化が深く根 ざしており、仏教の伝来上陸した九州には、仏教遺跡が数多くあり、現地に行かずとも写真が状景を伝えてくれ ことは「ありがたい」ことです。ホキは「歩危」とも漢字表記される「山腹の険しい所」「崖」「はけ」に、 磨崖仏が刻まれたことは、「バーミヤンの大仏」ほどの大きさはないにしても、平安時代から鎌倉時代の作と伝 わる、宗教文化の原動力に驚異を感じます。昔の写真屋はピントや露光や構図の決まった「サロン調写真」が主 流でしたが、ピント・露光の全てオート撮影できるデジカメでは、カメラを向ける対象物に対する知性と教養が 撮影者に求められることで、わたしはこの「ホキ石仏群」を推薦しました。」(by 無精ひげ)

#239a号から、平井寛さんの作品、「夜のグラン・プラス界隈」

作者コメント:   「(上段からの続き)ブラッセルの観光の中心的存 在で、夜遅くまで、観光客で賑わっています。21mm程度の広角レンズがあれば、もう少し広場の情景が 撮れるのでしょうが、37mmでは一つの建物を入れるのが精一杯でした。」

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編集委員評:   「おとぎの国のようなベルギーの夜の観光地の状景が伝 わってきます。ライトアップされた建物だけでは、ミニチュア・ジオラマでも見せてくれるでしょうが、テー ブルに座る人や歩く動きのある観光客を写すことで、映像を見る人に臨場感を与えてくれます。旅行中の三脚 を立てて撮影したのではないでしょうに、建物全景にピントが合い露光も確りした撮影技術にも感服します。」 (by 無精ひげ)


「B&W」が選んだ「この2点!」

#238b 号から、椿勝彦さんの作品、「北海道から」

作者コメント:   「さて、つい最近から撮影DataをRAWで記録する気 になり始めましたが、随分と[時間]と[メディア]を食いつぶします、が、やはりそれなりのメリットはあり ます。今回投稿する作品は総てRAW撮影時に同時撮影したJpgのDataです。ホームページの方も更新しました、 http://www5e.biglobe.ne.jp/~tsubaki_/index.htm 。一枚の写真Dataを[RAW][TIFF][Jpg]と三つの形式で保存しています、一枚につき大凡25Mになります、 [DVD]が欲しくなりました。」

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編集委員評:   「プロ写真家の山田彰一氏をして「大変な実力の持ち主で す。すごいです。」と言わしめた6枚組の写真の一つです。北海道の自然写真をライフワーク(?)にされている 椿さんならではの写真だと思います。V字型に手前に広がった雲が実際以上の距離感・広い空間を演出していま すね。太陽の光が斜めから差す絶好の状態で恐らくPLフィルターを使って空の持つ青さ・深さを節度を持って 強調されています。そしてRAWで撮影し、微細な表現や階調の豊かさを追求されているので、これは椿さん の優れた写真技術を示す逸品だと思います。デジカメ作品交換の読者としてこれからも椿さんの「北海道」がど のように表現されて行くのか楽しみにしております。」(by B&W)

#238b号から、平井寛さんの作品、「大山の紅葉」

作者コメント:   「11月1日(土)大山の紅葉は少し時期が過ぎ ていましたが、天気にも恵まれ、多くの人出で道は混雑していました。」

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編集委員評:   「この物凄い赤はめったやたらには出せない赤です。 紅葉の大山を何回も訪れて、其の時期の光の方向、あたり具合や強さなどをよく知った上で、じっと待って、 ここぞと言う瞬間にシャッターを押された平井さんの会心の作品だと思います。おそらくこの一分後にはこの すばらしい赤は消え去ったことでしょう。この赤には、自然がチラッと見せる凄さと共に、平井さんの写 真にかける情熱や写真技術の高さが表れています。私もいつの日かこんな色を捕らえてみたいです。されど まだまだ修行が足りません。」(by B&W)


編集委員の投票で選んだ作品(計3点)

#236b号から、大森保武さんの作品、「雲海など」

作者コメント:   「10月20日朝の『日の出』と『雲海』送ります。 冷たい雨が降ってます。」

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編集委員評:   「一幅の日本画というのは平凡であろうか。無駄なもの がそぎ落とされて、単純化されることにより反って、想像力が動き出す。雲海に覆われた下にはどんな風景が あるのか。そこに人々の生活があるのであろうか。大森さんは自然の現象を写しながら、人々に刺激を与え、 想像の世界に駆り立てる。」(by 桃源)


#237a号から、代田泰彦さんの作品、「川越祭り(曳っかわせ) 」

作者コメント:   「10月18日は川越祭の2日目でした。慶安元 年(1648)から行われているとの事。山車の上で人形(お面)を被った踊り手が、ユーモラスな踊りを 踊りながら町を練り歩きます。『曳っかわせ』が見所で街でであった山車同士がお囃子を鳴らし、踊りを競 い合います。沢山の見物人がおり、祭に参加する人も沢山です。日本の祭の一つでしょう。」

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編集委員評:   「「九里より美味い十三里」 江戸から十三里離れた川 越名産はさつま芋で有名な小江戸と言われる埼玉県川越市の、江戸文化を伝える日本の祭りは、ほのぼのとし た映像ですね。二台の山車の仮面の踊り手が、相手を見合って競演している状景は、シャッターチャンスが良 いですね。山車の屋根にいるはっぴ姿の男衆、山車をひく女性の笑顔、皆が祭りの仕事をして参加して祭りを 楽しんでいる。平和なこの日本が未来永劫続くことを、天災地災は甘受するとしても、人災だけは起こさない よう、神様仏様に祈る今日この頃です。」(by 無精ひげ)


#240b号から、kemari (浅野)さんの作品、「當麻寺にて」

作者コメント:   「二上山ふもとにある当麻寺です。東塔、西塔が並ん でいるので双塔寺とも書きます。西南院の池に映る西塔。」

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編集委員評:   「庭園もいろいろな所を見てきましたが枯山水のような 砂、石の配置などから形而上の世界を展開、心で見る精神世界を主題にした庭園とはまた違って池を巡る回遊 式庭園は池の中に蓬莱島をおいたりして多少の抽象性を加えたりするようですが、ほとんどが具体的で様式が 決まっているため、同じような風景が多いようです。そこで借景を活用したり、歴史的事情の違いなどを強調 することによって特徴をを作り出している所が多いと思います。とすると、写真にするには何か工夫がないと 平凡さは免れません。平凡でも美しいものは美しいのですが、水辺に姿を落とした国宝の三重の塔を中にして 、庭全体をまとめた構図は、作者の工夫、努力が偲ばれます。塔は二つあるそうですが、池を中にして右に縁 起木としての千両、左に飛び石とバランスもよく1300年を経た古刹「当麻寺」としては庭はその極く一部 でしょうが良くとめられていると思いました。」(by うぐいす)



3 今月のデジカメ関連サイト・ピックアップ


   今月のお薦めウェブサイトは日系アメリカ人の写真家マイケル・ ヤマシタです。

   アメリカで活躍した日本人の写真家というと、古い持代ではフォトジャーナリスト栗原 達男氏が世に知らしめた「フランクと呼ばれた男(松浦栄)」、アンセル・アダムスとも親しかった宮武東 洋、石元泰博、マスミ・ハヤシ(例のカレー事件の張本人ではありません、州立クリーブランド大学の芸術 学部教授です)、ハリー・シゲタ等の名前が浮かびますが、今月号では日系の写真家としては恐らく現在一 番有名なマイケル・ヤマシタについてご紹介します。
   マイケルのウェブ・サイトは http://www.michaelyamashita.com/です。

   マイケルの写真集は日本でも2冊刊行されており、「メコンー母なる アジアの大河」(1995年、宝島社)、「再見マルコポーロ「東方見聞禄」−シルクロードを行く」(2 002年、ナショナル・ジオグラフィック社)があります。後者はマイケルが1998年から3年かけてマ ルコポーロの足跡をたどって撮影された写真集で、これに関するマイケルの講演会も日本で行われたようで す。ウェブ・サイトの最初のページの砂漠と駱駝の写真はこの写真集の一枚です。「ギャラリ−」をクリッ クし、出てくるページのナショナル・ジオグラフィック誌のページをクリックすると、現代の絹の道のスライドシ ョーが始まります。結構時間がかかりますが、見ながら様々な思いに駆られました。現代とはいえこの風景 は既に過去のもので、この写真に写っているイラクやアフガニスタンの人々は今も生きているのだろうか、 お金の魔力に虜になった如き感のする中国は(日本人もバブルの時はすざまじかったですね)あまり感じら れないな、等など。そしてマイケルの端正な視点というか、やっぱり日本人の血が流れていると思わせるカ メラワークに感銘を受けました。

   マイケルはカメラを単なる記録の道具として買った2年後には、「ファー ・イースト(極東)・トラベラー」という雑誌の依頼でアジアの旅行写真を撮影しています。写真家として 名声を確立したのは、ナショナル・ジオグラフィック誌(1989年11月号)の日本庭園の記事です。 この記事を元にした写真集「In The Japanese Garden(日本庭園にて)」で多くの賞を受け、「禅風景写 真家」として有名になりました。そのタイトルから脱皮するように、1993年3月号の記事「Mekon River - The Life Line of Indochina」、1997年3月号「中国の黄金地帯、広東省を行く」、1998 年8月号「インドネシアの大火災」、同年9月「バーモントの四季」、そして「マルコ・ポーロ」とすばら しい記事を物にしています。

   マイケルは平均して週に100ロール写すそうです。36枚撮りとし て週に3600枚、年52週ですから年間合計約18万7千2百コマとなり、さすがのデジカメ人もこの 物量にはかないません。(24枚撮りとしても12万4千8百です。)
   マイケルの写真の撮り方は、対象に対してカメラ位置を色々変えて、シャッターを押し てゆく。光線の具合、バックグランド、「主題」、対象の動き、がうまく収まるアングルがだんだん決ま ってゆく。それと共に「心の目」が捉えた何物かに迫って行く(これは精神的作業です)。そしてドンピ シャの光、ドンピシャの時、が来る(其の瞬間にシャッターを押す)、と言うことです。が、私みたいな 凡人にはこのような瞬間は一生かかっても訪れないでしょうね。

   ギャラリーは ここから。
   ポートフォリオは ここから。



4 今月のおすすめフリーソフト

   本欄では、デジカメ関係のフリー・ソフトをご紹介する趣向です。

   今月は、残念ながらフリーではなくシェアウェアですが、一ヶ月の試用 期間はタダで使用できます。ピンぼけ・手ぶれレスキュー といって今注目を集めているソフト なので、読者の皆さんの中にはもうお使いになった方もいるかもしれませんね。
   次のリンクを参照して下さい。    ピンぼけ・手ぶれレスキュー。    ご案内。    解説

   ベクターのサイトに簡潔な説明がありますので、抜書きしました。
   「ピンぼけや手ぶれなど、デジカメ撮影で起こりがちなミスを補正するためのオリジナルフ ィルタが特徴のフォトレタッチソフト。オリジナルフィルタだけでなく、アンシャープマスクなどの一般的な フォトレタッチソフトが持つフィルタも多数備える。」
   「デジカメ写真補正用に特化したオリジナルフィルタは、「フォーカスエイド」「直線的手 ぶれ補正」「手ぶれ軌跡補正」「クリアエッジ」の4種類。デジカメの大半は、狙ったポイントにピントを合わ せるオートフォーカス機能が搭載されているが、間違ったところにピントが合ってしまう場合もある。これを 補正できるのが「フォーカスエイド」フィルタだ。ピンぼけ画像からピンぼけ感を払拭し、クリアな画像にし てくれる。」
   「「直線的手ぶれ補正」「手ぶれ軌跡補正」の両フィルタは、小型カメラ使用時や暗い場所 で起こりやすい、手ぶれ撮影された画像補正用。「直線的手ぶれ補正」は、手ぶれの方向が一直線の場合に有 効で、どの方向にぶれているのか、どの程度ぶれているのかを指定すれば、ソフトがぶれを自動的に判断し、 除去してくれる。「手ぶれ軌跡補正」は、ぶれ方向が直線ではなく、輝点が尾を引くような形で不規則に流れ ているような画像の補正に有効。夜景撮影など、長時間露出を行った際のぶれ補正に適する。ぶれの範囲(幅) を指定すれば、その範囲内でぶれた軌跡を自動的に判定して補正を行ってくれる。」
   「「クリアエッジ」フィルタは、被写体の輪郭をくっきりと強調する機能を持つ。一般的な 輪郭強調フィルタのように、画像のコントラストから輪郭を検出するのではなく、より自然な感じで輪郭が強 調される。」
   「オリジナルフィルタ以外の一般的なレタッチフィルタも、アンシャープマスク、ぼかし、 階調補正など、豊富に用意されている。」
   「フィルタを適用する際には専用の画面に切り替わり、フィルタの強度などのパラメータが を指定できる。各専用画面には「標準」ボタンが用意されている。クリックすると、そのフィルタの典型的な 使い方とその説明が表示され、選択するだけで標準的なパラメータをセットできるようになっている。」
   「フィルタの適用時には、画面表示エリアを自動的に分割して、効果適用前・適用後の状態 を直接比較・検討できる。分割数は最大4で、画像表示は連動してスクロールするため、比較を行いやすい。 トリミングも、一般的な写真のサイズ(四つ切りや六つ切り)を考慮し、縦横比を固定して選択できるなど、 写真撮影、印刷に特化した機能を多数備えている。Undo/Redoはメモリの許す限り行える。」

   筆者もお験し版をインストールして使ってみました。初心者の方には とっつきにくいかもしれませんが、ポテンシャルは十分にあるソフトです。


5 デジカメ技術のおさらいレッスン

   この欄は、読者の皆さんが身につけたデジカメ技術の基本を、もう一度お さらいすることを目的にしております。今月は「偏光フィルター」について勉強しましょう。

   稽古事、趣味、政治・宗教活動等、何事にも打ち込むものを見出して 突っ走ると人間はその思考や振る舞いに狂気の要素を帯びてくるようで、写真もその例にもれません。「写真 道」や「デジカメ道」などという言葉が使はれたり、今回おさらいする偏光フィルター(ポラライジング・フ ィルター、PLフィルター)を常時使用する愛好者の間では、「PL教(Peace&Libertyでも Perfect Libertyでもありません。念のため)」などと言う言葉まであるようです。
   今月号では、なぜ偏光フィルターがそんなに良いのか、その秘密を探ってみましょう。

   1.偏光とはどんなもの?
   まず偏光とはどういうものでしょうか?次のリンクに説明があります。 PLフィルターのお話 デジタルカメラにおける「偏光(PL)フィルター」の活用もクリックして下さい。 次のリンクにも偏光についての定義が書かれています。 PL(偏光)フィルターの効果

   2.偏光フィルターの効果
   偏光フィルターはどのような目的をもって使用されるのでしょうか?次のリンクに うまく纏められています。 偏光フィルター3つの効果

   3.偏光フィルター使用法
   使用法は前掲のリンクにありますが、 PLフィルターをじょうずに使う、いくつかのポイント も参考にして下さい。

   4.まとめ
      1.光はガラス面、水面等に反射するとその振動が一方向に偏ったものに成る。これを 偏光という。
      2.偏光フィルターはその偏った光の一部をさえぎる役目がある。
      3.偏光フィルターは偏光を除去して本来の色を浮かび出させ、鮮やかにする。
      4.偏光フィルターはコントラストを強調する。
      5.偏光フィルターは反射光にさえぎられていた反射面の向こう側のものをはっきりさせる。
      6.使用上の注意点は、フィルターをかけ過ぎないこと。最大の効果は反射面に対して 30−40度の傾きの時。逆光では効果無し。円偏光フィルターを購入するのが無難。露出が2−4段減る ので手ブレ等に注意のこと。遮光効果を生かしてNDフィルターの代わり又は補助に使える。経年変化があって 使っているうちにだんだん効果が薄れる。

   偏光フィルターの秘密、お解りになりましたか。まだ使ったことの無い 読者に皆さん、このフィルターは持ってて損はない物だと思います。私も「PL教」(フィルターの方です) の虜になっていた時がありました。ぜんぜん効かなくなったものも持っております。(^_^)(^_^)(^_^)



6 編集後記


 「月刊デジカメ作品第12号」いかがでしたでしょうか?

   去年12月に創刊準備号を発刊以来、既に13回の発刊となりました。 ここまでやってこられたのも読者の皆さん、投稿者の皆さん、そして献身的な編集委員諸氏の努力の賜物で す。皆様ほんとにありがとうございます。
   13回目ともなると、いささかマンネリ気味の兆候も出始め、例えば投票によって選ば れるカメラマンの顔ぶれが決まっていたり、手抜きの記事が出たり{責任は編集長にありますが、、(^_^)} しております。編集局としても、ここでひと踏ん張りして毎回新鮮味のある紙面にしてゆく覚悟です。読者 の皆さんからも広くご意見を求めたいと思っておりますので、是非編集局までご意見、ご批判、をお寄せ下 さい。また、我こそは編集委員にどうだろうかという方がいらっしゃいましたら、是非是非、編集局にご 参加下さい。老若男女、年齢、経験、一切不問ですので、ご一考頂けますように。またメール・マガジン 「デジカメ作品交換会」への写真投稿を躊躇されている方、どうぞ勇気を持って木村さんまで投稿依頼され ます様に!「デジカメ作品交換会」は公序風俗を乱さない限り全ての投稿写真を掲載いたします。


 メール・マガジン「デジカメ作品交換会」の最新号は
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でご覧いただけます。またメール・マガジンの登録・解除と、読者でつくるe-グループ、 「dgckグループ」の入会も出来ます。

 月刊誌の編集委員も募集しています。是非ご連絡下さい。編集局のメールの宛先は、 木村 又は神原です。
 既刊をご覧になりたい方はここをクリック

   デジカメ作品交歓会200号記念CD−ROMを纏めました。 創刊から200号までをおさめてあります。ご希望の方は送り先を連絡ください。

 それでは皆さんの力作、楽しみにしています。ごきげんよう!


「月刊デジカメ作品」編集局
発行責任者:木村元一
編集責任者:神原幹郎
編集委員:うぐいす、無精ひげ、桃源、風来坊、スカイウオッチャー、B&W