logo.jpg

メールマガジン「デジカメワークスOjinWanko.gif

Mail Magazine「Digicamworks

第42号/N 42

平成19年03月28日発行(Mar 28, 2007)

ホームページは/Home Page http://digicamworks.net/

2月のホームページへの訪問総数: 4737

The number of visits to the Digicamworks Home Page in February: 4737


既刊は/For past issues メールマガジン「デジカメワークス」の既刊


目次

目次クリックすると各項目へジャンプします
HDRへの試み〜お勧めお試しソフト「Photomatix」
編集後記

   

1. HDRへの試み〜お勧めお試しソフト「Photomatix」


1.はじめに〜Photomatixについて

Photomatix48.gif

   本号のお勧めソフトはフランスのHDRsoft社から発売されている 「Photomatix」という商用ソフトです。

   http://www.hdrsoft.com/index.html

   Photomatixには単体ソフトのPhotomatix Pro(現在のバージョンは2.4〜$99)、 トーンマッピングを行うフォトショッププラグインのTone Mapping Plug-In (現在のバージョンは1.1〜$65)があります。 これらはそれぞれウィンドウズ用とマック用が用意されてます。その他にフリーソフトのPhotomatix Basic 1.2 がありますが、残念ながら筆者が試した範囲ではあまり良好な結果が得られませんでした(かなりきついカラーシフト が起こります)。

   Photomatix ProとTone Mapping Plug-Inの抱き合わせでは$109です。 両者ともお金を払って登録しないうちは使用期限なしのお試し版として使えますが、出来上がった画像にPhotomatix というウオーターマークがつきます。

   本欄では単体ソフトのPhotomatix Proについての使用法を解説いたします。

2.ダイナミックレンジについて

   Photomatix Proは基本的にデジカメで撮影されたイメージのダイナミックレンジ を拡大する働きをします。ダイナミックレンジとは電気・通信・音響などの分野で使われている言葉ですが、信号の最大値と最小値の比で 無単位の数値で、信号とノイズの比・S/N比(単位:dB、常用対数で表記)で表したり、デジタルではビット数で、例えば8ビットイメージは1ピクセルあたり24ビットで構成され 低いダイナミックレンジだが32ビットイメージは96ビットで構成され高いダイナミックレンジだ(実際は32ビットイメージの 計算方法が違うことによりますが)、という風に表されます。単純に「最大の信号レベルから、雑音のレベルを引いたもの」と考えてもよいでしょう。 銀塩写真で使われていた言葉を使えばラチチュードと同義です。

   ではデジカメの受光体のCCD、CMOS等がどの程度のダイナミックレンジを持つのか、下記の 表で見てみましょう。これは naturescapes.net・Definition of HDR から得られた表に筆者が加筆したものです。

場面・機器ダイナミックレンジストップ(露出段階)
陽光の戸外100,000:1 (100dB)以上〜17 EV
肉眼10,000:1 (80dB)〜14 EV
銀塩カメラ最高 2000:1 (66dB)〜11 EV
デジカメ通常 400:1 (52dB)〜8.5 EV
良質のPCモニター500:1 から 1000:1 (54 - 60 dB)9 - 10 EV
写真プリント100:1 から最高 250:1 まで(40 - 48dB)7 - 8 EV

   デジカメの具体的な実用ダイナミックレンジとして、 Canon EOS 400D では 8.4 EV、Nikon D80 では 8.0 EV、という実測値が報告されています。 (Dynamic Range compared 参照)

   肉眼に比べてデジカメはダイナミックレンジの幅が格段に狭いことがわかりますね。 具体的には、肉眼で見えていたハイライト部やシャドウ部のディーテールがデジカメ画像では白くとんだり黒くつぶれたり して見えなくなり易いということです。

3.ダイナミックレンジ拡大への試み

   デジカメ画像でのダイナミックレンジ拡大への試みとしての例を5点、下記に挙げてみましょう。

1.メーカーの対応デジカメのCCDの性能向上例:フジ・スーパーCCDハニカム「SR Pro」 「従来比400%というネガフィルムに迫る広大なダイナミックレンジ」
2.メーカーの対応デジカメ内での画像処理例:ソニー・α100・Dレンジオプティマイザー機能
3.ソフトの対応HDR(ハイダイナミックレンジ)多数枚から例:アドビ・フォトショップCS2・HDR
4.ソフトの対応HDR(ハイダイナミックレンジ)2枚の画像の合成例:エプソン・イメージアシスタント Vol.3 ダイナミックレンジ拡大
5.ソフトの対応HDR(ハイダイナミックレンジ)1枚または多数枚から例・Photomatix Pro

   これからもデジカメメーカーによる機器に於ける対応というものが進んでくるでしょう、が現行 のデジカメでのダイナミックレンジ拡大はソフトに頼ることになります。

4.HDRとトーンマッピングについて

   ソフトによるHDR(ハイダイナミックレンジ)化は上記の表からも類推できるように、露出を変えて 撮影した複数枚の画像をラチチュードの広い1枚の画像に合成することです。

   通常、合成された画像のファイル形式はRadiance RGBE (.hdr) とか Open-EXR (.exr) という32ビット 形式で作成・保存されます。

   ここで我々が普段使うファイル形式であるJPEGについて考えてみます。JPEGは各色8ビット、計 24ビットでされる、などと言われています。これを具体的な数字で言いますと、全く明るい(白)状態から全く暗い(黒)状態をあわらすのに 2の8乗、つまり256、の段階(0から255とします、つまりダイナミックレンジ理論的最大値は、255:1)があり、 それが赤、緑、青についての組み合わせがあるので256の3乗、 つまり16,777,216色がJPEGの表し得る色の数だ、ということになります。(明るさに関していえば256段階です。)

   プロが良く使う16ビットTIFFでは、2の16乗(65、536段階、0から65,535、 つまりダイナミックレンジ理論的最大値は65,535:1)) が各チャンネル毎、65,536の3乗(約281兆)がトータルの色の数となります。つまり8ビットJPEGより16ビットTiff の方が滑らかな色(明るさ)の変化を表現することが出来ます(別の言葉で表すなら、「より優れた階調表現」)。

   Radiance RGBE (.hdr) とか Open-EXR (.exr)では計算方式(浮動点小数)が異なり、32ビットとはいえ 上記の意味では用いておりませんが、色(明るさ)の段階の数、ダイナミックレンジの大きさは、前記のJPEGやTIFFに比較して 更に大きなもの(理論的には無限)であることは容易に想像されることでしょう。

   さて、合成されたHDRは2つの大きな問題を持っています。それは浮動点小数表示を整数に直さなければなら ない、もう一つはそのダイナミックレンジを表すことの出来る機器(モニター)がない、ということです。1000:1のモニターは、 107,000,000、000:1のOpen-EXRファイルを正しく表示できません。そこで登場するのがトーンマッピングという手法で、 これによって初めて正しくモニターで見ることが出来るようになります。

   余談ですが、デジカメのRAWファイルは12ビットでこれも本来的にはダイナミックレンジが 大きく、トーンマッピングを使って8ビットモニターに見えるようにします(現像)。

5.「Photomatix Pro」のダウンロードとインストール

   前置きが長くなりましたが、下記Photomatix Proの入手法を説明いたします。

1.   

01PhotomatixHP.jpg
これはHDRsoft社のホームページ

2.   

03Click4DL.jpg
ダウンロードページの Download Photomatix Pro 2.4をクリックしてダウンロードします。 http://dl.filekicker.com/send/file/184124-U1PR/PhotomatixPro24.exeをクリックして下さい!

3.   

04Install1.jpg
ダウンロードしたファイルを起動します。Nextをクリック。以降Next>Next>Install>Finishを クリックしてインストール完了です。

6.「Photomatix Pro」の起動

1.   

09Start1.jpg
ソフト起動後最初に出てくるウィンドウです。試用で使うのでContinue Trialをクリック。

2.   

10Start2.jpg
ソフト機能の概略です。Type1は複数の画像からHDRを作りトーンマッピングにかける方法。Type2は一枚の RAW画像を開け、それを+/−2ストップの画像に現像して合成したり、多数の画像を選んで合成します。とりあへずClose をクリックしてこのウィンドウを閉じます。

3.   

11Start3.jpg
次に出てくるウィンドウです。「Photomatix Pro」の起動完了です。

7.Type1用の複数の画像について

   露出の違う複数の画像は撮影時に露出を変えて撮影するのが理想的ですが、 被写体が動いている場合はこの方法ではうまくいきません。次に示す例は、前線の切れ目(つまり被写体はかなりの 速度で動いている)を撮影したRAWファイルを撮影時のものを基点として露出補正、−3EVから一段ずつ+3EVまでを 行って現像したものです。現像の際、露出補正以外のパラメーターは全て一定にすることが肝要です。

−3EV−2EV−1EV
+1EV+2EV+3EV

   上記7枚を使って、手前の草地から左奥の晴れ間の部分まで肉眼で見たであろう光景を 「Photomatix Pro」により拡大したダイナミックレンジを持つ画像として作成します。

8.HDR処理とトーンマッピングの仕方

1.   

13OpenHDRGenerate.jpg
HDR>Generateと選びます。

2.   

13-1LoadFiles.jpg
出てきたウィンドウのBrowseをクリックし、露出をかえた複数の画像のあるディレクトリーに行き、画像を選択します。

3.   

13-3Loaded.jpg
画像選択してOKを押すと元のウィンドウになります。OKをクリックします。

4.   

13-4ExposurValue.jpg
Specify the EV spacingの欄に露出の差を選択します。例の画像の場合は露出の差は1です。OKをクリック。

5.   

13-5Align.jpg
Align source imagesは画像の整列。画像が少しずれているときに有効です。Attempt to reduce  ghoasting artifactsはブラケット撮影で撮った画像で被写体が僅かにずれているとき生ずるゴーストの軽減に有効。 下側の欄は其のままにしましょう(標準設定は画像トーンカーブを使うということ)。

6.   

15Done.jpg
HDR画像が出来上がりました。この画像は「見られたものでない」のですが、画像内にマウスを動かすと右の小さなウィンドウに モニターのダイナミックレンジで扱える状態の画像に変換されたものを見ることが出来ます。

7.   

16ToneMap.jpg
次にこのHDR画像にトーンマッピング処理をします。

8.   

16-1stWindow.jpg
出てくるウィンドウです。

9   

17TMParameters.jpg
Strengthはコントラストの加減。Color Saturationは彩度の加減。Light Smoothingは明度の分布 の加減。低い値はシャープネスを上げる働きがあります。Luminosityはトーンの圧縮を加減。右へ動かすとシャドウ部のディテール を増加させ画像全体を明るくします。Microcontrastは部分部分のディテールを浮き上がらせます。推薦値は2です。Micro-smoothing は部分部分のディテールをに関する事柄ですが、ノイズの減少と全体的に「きれいな」画像に仕上げます。White Clip - Black Clipは トーンカーブの右(ハイライト部の切れ − 255)と左(シャドウ部の切れ − 0)を決めます。Gammaは中間トーンを決めます。 画像全体の明るさを決定。General optionsは保存する画像のビット数の指定、8ビットなら普通の24ビットJPEGか8ビットTIFF 、16ビットなら16ビットTIFF。8ビットにするということはダイナミックレンジを大きく圧縮するということになります。 360^(o) imageは全周パノラマの場合に使用。画像を見ながら上記のパラメーターを決めてゆき、OKをクリックします。

10.   

18SaveasWatermark.jpg
出来上がった画像です。ハイライト部からシャドウ部まで肉眼では見えたけれどデジカメ画像一枚では捉えきれなかった光景です。 お試し版なのでPhotomatixというウォーターマークが3箇所入ります。が、フォトショップやエレメント、ペイントショッププロの クローンツールやヒーリングツールを使って消すことができます。File>Save asで保存します。

11.   

20WMRemoved.jpg
ウォーターマークを消したものの例です(上記の画像とは別の画像)。

9.まとめ

   単体ソフトのPhotomatix Proを使い、複数の露出の違う画像から広いラチチュードを持つ画像を 作成しました。

   Photomatix Proでは上記で説明した以外の方法でHDRを作ることも出来ますが、その説明は 機会があれば後日説明いたします。

   HDRの試みは古くは暗室操作で、またデジカメ時代になった現在でもデジカメメーカーによる デジカメ性能の向上の努力、本欄で示したようにソフトメーカーからの対応で、これから益々発展することでしょう。

   筆者もまだまだ勉強が足りませんが、もし御質問がございましたら 編集長(神原幹郎)までお寄せください。理解している範囲でお答えをいたします。



2.編集後記

   第42号、如何でしたでしょうか? このメールマガジンについてのご注文・ご感想をお寄せ下さい。皆様が形作るマガジンです のでじっくり・真剣に(^v^)お聴きいたします。

    デジタル一眼愛好家に朗報 レンズ交換できるバッグ登場(産経)をご覧下さい。交換時は中身を全部外に出さなければ なりませんね。(^_^)2万6250円(税込み)、ウーム、、、、。(*^_^*)


   より良いメールマガジンを作り上げようと思っておりますので、皆 様のご質問、ご意見、ご批判、お励まし、お待ちしております。どうぞメール・マガジン「デジカメワークス」 にふるって御投稿下さい。

   メール・マガジン「デジカメワークス」の配信は まぐまぐのこのページでご登録いただけます。

   メール・マガジン「デジカメワークス」は発行責任者、神原幹郎、のウェブ・サイト http://digicamworks.net/でご覧いただけます。

   メール・マガジン「デジカメワークス」の過去発行分は、

KikanButton.jpg

   それでは皆さんの力作、楽しみにしています。ごきげんよう!

   お気に入りリンク:

    雅路の部屋

    軌跡

    あゆみ2

    カメの歩み・もう少し前進

    気ままなデジカメ

    びーぐるな日々

    気の向くまま

    デジカメ挑戦

    風を友にして



メールマガジン「デジカメワークス」
発行責任者:神原幹郎